あぺ

雪の断章 情熱のあぺのレビュー・感想・評価

雪の断章 情熱(1985年製作の映画)
4.1
今日でもララランドとかで冒頭10分程度の長回しをしている映画はある程度 存在するが、本作ほど長回しの中でコロコロと場面、話の展開、時系列が変わっていく作品は中々ないんじゃないかと思う。

そのような場面の変化など以外でも
長回しの中で、ヴァイオリンのBGMを演奏する人までも映し、それが最初と最後の謎のヴァイオリン弾きピエロと繋がっていたりと面白いエッセンスを混入させている。
またファーストカット長回しの中で男が女に電話をするのですが、その相手の女が電話をする場所というか場面をセットで作って、長回しの中で映しているのも好き
清順もよくこの手の手法で、別の場面に切り替わる時にカットで割らずに無理やりセットを作って、ワンカットで撮っているので、本作のそれを見て懐かしくなった

ララランドは最新技術の力もあって、ほぼブレがなく、撮影の難易度的にもハイレベルなことをやっているが、本作みたいに長回しの中で物語に影響を与える要素を入れるといったことまではやってないから、相米って天才なんだなって思う
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