けーはち

007 スカイフォールのけーはちのレビュー・感想・評価

007 スカイフォール(2012年製作の映画)
4.1
007ジェームズ・ボンドの死と再生の物語。

★色々と『ダークナイト』の影響を受けた作品。単身MI6に囚われてから脱出だとかMを追ってスコットランドまで自ら飛来といった超絶アクティヴで狂った敵のボス、シルヴァ(ハビエル・バルデム)はジョーカーだし、全体に流れる自省的で暗いテーマ性は同作の影響モロ。それでいて「ボンドがMをさらいスコットランドの生家に立て籠ったのをシルヴァが追いかけてきて決戦!」という荒唐無稽な展開は007らしい。彼はMに対し慕情と怨恨を複雑に抱くマザコン・キャラなので「世界中のコンピューターをハッキングできるなら手の込んだことせずミサイルの一発でも落とせばイイんじゃね?」とか理性的なツッコミを逃れ没入できるのが本作の良さ。

★終盤、決戦の映像は象徴主義的な隠喩に満ちている。一度死んだ007は生地スコットランドでファンタスティックに蘇る。生家を燃やし水をくぐり抜け、自然の通過儀礼を受け、再び生を受けるのだ。公聴会でMがMI6、00セクションの必要性を強調したように、新世代のMやQ、マネーペニーといった新スタッフが勢揃い、ここから再び007の物語が始まる。

★と思ったら『スペクター』で、総決算しちゃったんじゃん!……あれー?