ゴン吉

007 スカイフォールのゴン吉のレビュー・感想・評価

007 スカイフォール(2012年製作の映画)
3.9
イギリス諜報部員で殺し屋のジェームズボンドの活躍を描いた007シリーズの23作目。
主演は6代目ボンド役のダニエル・クレイグで、ハビエル・バルデムが宿敵シルヴァを演じる。

トルコのイスタンブールで、イギリス諜報機関MI6が世界各地のNATOエージェントの機密情報を記録したディスクを奪われる。
007ことジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は犯人を追跡するが、MI6の幹部Mの強引な指示により、ボンドは仲間(ナオミ・ハリス)が放った銃弾に当たり、走行中の列車から峡谷の谷底に落下して行方不明となる。
Mは情報漏出の責任を問われて辞職を迫られるが、拒否する。
そしてMがMI6の本部を出た直後に、本部が爆破されて6人の職員が殉死する。
一方、死んだと思われていたボンドがMのもとに現れ、復帰テストで不合格にもかかわらず、Mの独断で007として復職する。
ボンドは上海、マカオに渡って調査を行い、美女のセヴリン(ベレニス・マーロウ)と出会う。
ボンドは彼女を口説くと同時に命を守ると約束して、組織のボスであるシルヴァに会わせてもらうが、目の前でセヴリンを見殺しにする。
シルヴァはMの元部下で、Mの裏切りにより中国に捕らわれの身となり、奥歯に仕込んだシアン化水素で自殺を謀るも未遂に終わり、口蓋を損傷しながらも生き延びていた。
今回の事件はMの非情かつ冷酷さが招いたもの。
果たしてボンドはディスクを取り戻し、任務を全うすることが出来るのか? 
また冷酷なMとボンドの運命はいかに?

Mは”別の世界”を見ており、”時代遅れのスパイ組織”の温存を第一に考え、そのために多くの人々が犠牲になる。
ボンドは敵をおびき寄せる餌としてセヴリンやMを使う。
前2作ではボンドの冷酷かつ傲慢な行動が描かれていたが、本作品でも女性を弄んだうえ単なる道具として使い、最後は見殺しにするなど非情極まりない。犠牲となった女性の命よりも「いい酒が無駄になった」と言い放つボンド。
Mとボンドの傲慢かつ冷酷さ、さらには二人による仲間の切り捨てや裏切りにより、多くの人々が犠牲となり、大臣の命までもが.....
本作品で、ボンドはアルコールと薬物依存で、少年期のトラウマを抱えているなど彼の知られざる素顔が明らかになる。
また終盤では、荒涼とした氷の張ったスコットランドにあるボンドの実家が舞台となり、前作に続きシリアスでダークなイメージの作品です。
とは言え、オープニング早々の派手なバイクチェイスやクライマックスの爆破炎上シーンなどの迫力あるアクションが楽しめる。
暗闇に浮かぶ炎のシーンをはじめ映像が凝っていて美しい。
ボンドガールは、ボンドに弄ばれたうえ見殺しにされたセヴリンを演じるベレニス・マーロウと同僚のスナイパーのイヴを演じたナオミ・ハリス。
ボンドカーはフロントに機関銃を搭載したアストンマーティンDB5。
秘密アイテムはマイクロ皮膚センサー付き(掌紋認証センサー:字幕版)ワルサーPPK・9ミリショート弾と無線発信機(無線送信機:字幕版)のみで、作品中で「冴えないプレゼント」と自虐的に述べられており、従来作品の秘密アイテムに対しては「ああゆうのはもう古い」と弁明しているのが滑稽です。
「僕が最後のネズミだ!」  

2023.10 BS日テレで鑑賞(字幕)
2022.4 BS-TBSで鑑賞(土曜映画デラックス・吹替)
2021.10 BS-TBS版の録画を鑑賞(吹替) 
第85回 アカデミー賞で音響編集賞、主題歌賞を受賞(2013年)
第70回 ゴールデングローブ賞で最優秀主題歌賞を受賞(2013年)
第66回英国アカデミー賞にて英国作品賞、作曲賞を受賞(2013年)
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