TatsuoMiyamoto

007 スカイフォールのTatsuoMiyamotoのレビュー・感想・評価

007 スカイフォール(2012年製作の映画)
3.9
再鑑賞

ダニエルクレイグの007シリーズ3作目

前作との繋がりは無く、Mに見捨てられた元MI6エージェントの復讐劇。ショーン・コネリーが初代ジェームズ・ボンドを演じると発表されてから50周年となる作品だけにエージェントという国家を影で守る職業人が現代社会に必要なのかを再度考えさせる話でもある。

英国には国家の利益、不利益を水面下でコントロールするために秘密情報部SIS(MI6)があり007はその組織に属している。スパイ映画はあくまでもフィクションの世界であるがそのストーリーのリアリティの精度が高ければ高いほど観るものを虜にします。007は原作者が元SISだと言われているのでリアリティがある。政府は殺しのライセンスなど発行はしてない!と表向きは否定、、、

スパイ映画と言えばトムクルーズのミッションインポッシブル。秘密諜報組織 であるIMFの仕事を描いていますが映画はもはや娯楽。不可能をやり遂げる派手さがファンの楽しみとなってます。変化球的なスパイ映画としてはマットデイモンの『ボーン・アイデンティティー』シリーズやコリン・ファースの『キングスマン』シリーズは視点の違いで面白い。情報を制することがスパイ映画の醍醐味だけに007は殺しが多めなだけに今の時代背景では無理矢理感を感じる。今作でMが公聴会で大臣に責められシーンは今どきな演出だとは思う。ただその後はやはり007的展開、、、

現代の日本でも日本版CIA設置については検討されているが、戦後の日本は平和国家を看板に掲げていることもあり海外での諜報活動は内外からも求められなかった経緯があると云われている。9.11テロ事件を契機に日本でも諜報機関設置が論議されるようになったものの警察庁、外務省、防衛省、公安調査庁など関係省の主導権争いが原因で進まないというがオリンピックを控えているだけにフランスのテロ事件を見る限りは何もしない訳にはいかないとは思う。ただ映画のような国益を優先する駆け引きのストーリーは必要無く、あくまでも国として不利益になることは未然防止できる組織は必要。
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