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007 スカイフォールのいののレビュー・感想・評価

007 スカイフォール(2012年製作の映画)
4.3


本当に観て良かった。これぞ、映画!薦めてくださった皆様、ありがとうございます!


上海や澳門の夜の灯りは、幽玄で優雅でゴージャス。ビル群の青いシャープな光。廃墟となった孤島。そして、イギリスでの最後の場所。どれもこれも本当に素晴らしいロケーション。照明の美しさ。巨額をかけた映画を享受できることも、これまた有難いことだ。



「現場経験は?」
死の淵から蘇った007。現場に復帰する際、高官マロリーから、なぜ仕事に復帰しようとするのか尋ねられる。なにも、死と隣り合わせにある、こんな苛酷な仕事に復帰しなくても。復帰しなければのんびり暮らせるじゃないか。

その際、ボンドが切り返した台詞が上記の言葉だ。「現場仕事」へのプライドをにじませる言葉。その台詞がとてもいい。

「現場仕事」という言葉、私は結構気に入っている。店員さんなどに、何気なく職業を問われたら、私は「現場労働者です!」と答えてしまう。何も職業ということに関わらなくても、自分は現場で働いていると思えば、誰だってそうなんじゃないかとも思うのだ。様々な無理難題を持ちかけられ、それアタシの仕事じゃないっすと返したい言葉も呑み込み、やれやれと思いながらも、やるしかないと現場にぶっ込んでいく。きっと、たいていの人がそうなんだと思う。だから、ボンドのこの発言に、大きく頷き、(ボンドと自分とは仕事のスケールのでかさが全く違うけども、)私はボンドを応援しようと思う。


「趣味は、復活すること」という発言にも、いいぞいいぞ、と思う。


全編通して、新旧交代を強くにじませる。古い者は淘汰されるのか。凌駕されるのか。人も道具も。Mもボンドも自身に問いかける。仕事をすることは傷ついていくことだ。誰かを傷つけたことで、自分を責め続けることだ。守るべきものは何なのか。古い歴史ある、個人にとってとても思い入れの深い建物を壊すことになっても。


最後の籠城戦、知恵をフル活用して、手持ちの武器でなんとかまかなっていくところも、いい。ハビエル・バルデムの色気と上品さと静かな狂気。おお、ベン・ウィショーも出てくるとは!彼の格好良さを、再確認。ナオミ・ラパスは、冒頭の追走劇で、車で併走してる時に、もっと早い段階で、ちゃっちゃと撃っちゃってくれてたら良かったのに、と独りごちてみる。アバンタイトル(←うわーっ!初使用!アバンタイトルという単語、いっぺん使ってみたかった笑)からのアデルの曲。冒頭だけじゃなく、ラストでもかけて欲しかったくらい。むしろラストの方がしっくりくるのかも。新作は絶対映画館で観るよ!