次男

スウィート・ノベンバーの次男のレビュー・感想・評価

スウィート・ノベンバー(2001年製作の映画)
4.0
クーラーをがんがんにつけた偽秋な室内で毛布にくるまって、11月に観るべき映画で夏から逃げる。

いやすごくよかったなどうしよう?すごくよかったし、ラストの話で女子会したいな?僕女子じゃないけどな?

キアヌ×セロンは名案だな。奇天烈に奔放なのに謎めいた女性像をシャーリーズ・セロンが演じるとこんなに素敵なんだな。いろいろとちょうどよかったし、唯一無二のサラだったな。キアヌだから受け止められるサラ。

「スウィートノベンバー」「スライディングドア」「恋人たちの予感」「マディソン郡の橋」このへん観てからの女子会したいな?



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ネタバレ
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ラスト手前のさ、「12のサプライズプレゼント」がさ、もうすごくいいじゃんね?すごくいいの。これまでの2時間の、僕らも共有してるたくさんの思い出を巡るプレゼントたち。ふつうに終われるくらいいいの。

だから、プレゼントののち、二人が結ばれて、翌朝サラが飛び出したとき、「もういいよさっさとハッピーなんなよ」って思っちゃった。でも、少しずつ「どっち」かわかんなくなってきて。え、まさかこういう系の映画でハッピーエンド以外の選択肢ある?まじで?目隠しをしたあとのカットバック、ドキドキしてた。どっちで来る?どっちで来る?って。そしてラストカット一つ前、橋の手前からキアヌ当てのカットで、不在を知って。ほんで街には12月が来て。

いや、素敵なカップルだったから、結ばれてほしかったけど、映画として「それ!!」と思ったですよ。いろんなこと差し置いてさ、とりあえずこの映画は「期間限定の恋」の話で、「期間限定の恋なんて現実にねーよ」って、バカバカめっちゃあるっつの、てかほとんどの恋は振り返るとそうじゃんね。それが3日だろうと2週間だろうと3ヶ月だろうとあれだけど、振り返っていま考えてみると期間限定じゃんね。

ゴツンと恋に落ちて、ズブズブとハマって、でもなんだか、ぬるっとだったりサッとだったり、別れはだいたい不本意で。真意を伝えないままフェードアウトしたり、真意を教わらないままフェードアウトされたり、格好つけて去ったり、男前に去られたり、とりあえず事実としては、一定の時間一緒にいたということと、残った・残された感慨だけです。

…を、撮った映画なのかな。最終的に何にもならなかったふたり、の唯一の証拠と軌跡を閉じ込めたこれ。普通あり得ない成果物。刹那性、を捻出するための舞台装置で、ハッピーエンドを捏造したかけてミスリード。ミスリードってか、ハッピーエンド毎回想像するよな。実際の恋なら。

なんにつけても、秋という季節の妙だ。

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なんて、ネルソン側からの感傷ひたひた感想文。おっさんが恋を連呼してキモいったらねーな。でも、11月に、もう一度観たいな。
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