Towa

ニュー・シネマ・パラダイスのTowaのレビュー・感想・評価

4.6
✨今年200本目の作品となります✨

“自分のすることを愛せ…”


監督、脚本は『海の上のピアニスト』『鑑定士と顔のない依頼人』で知られる巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ(当時なんと32歳)。音楽では2年前に逝去したエンニオ・モリコーネも参加。30年も帰郷していないサルヴァトーレはある訃報を機に人生を振り返るヒューマンドラマ作品。

✒️1950年代イタリアのシチリア島。人々が映画を楽しむ中、母親と妹3人で暮らし帰らぬ父を待つ少年トトの興味は映画と映写室。そこで働く子どもがいない父親の映写技師アルフレードとの出会いがお互いの人生に変化をもたらしていくのだが…


「私が今まで観た中でトップクラスの
美しすぎるエンディング…」

映画愛が溢れる芸術的な映像と音楽で
人生を描きつつ普遍的なテーマを
この作品一本に集約させ、さらには
ノスタルジーまで体験できる凄い作品✨

トトとアルフレードの交流だけでなく
少し違った角度から観る事もできるので
二つの視点からレビューしてみよう!


【トトとアルフレード】
この映画のずるい点はずる賢く親の言うこと
きかないくせにアルフレードを尊厳の
眼差しでみる少年トトのその可愛さと
そのギャップにやられちゃうとこだ❤︎

教会兼映画館である”パラダイス座”で
神父の手伝いをしながら映画を覗き見したり
映写機のやり方を盗み見して覚えたりと
自分の好奇心に真っ直ぐなとこも愛らしい

将来、映写技師になりたいトトの夢を
厳しくも心優しいアルフレードは
こんな孤独で退屈な危なっかしい辛い仕事は
やってほしくないと忠告もしていた
「おまえには仕事がある」…と。

またミルクを買うよう頼まれたそのお金を
映画代にして母親に頭を叩かれていた時に
アルフレードが助けたことによってさらに
二人の交流が親密になっていく、、
ここでの二人のウィンク可愛いすぎな!

そして、パケ写でもある二人で自転車に乗り
“笑顔”で町へ戻る場面はとても印象的だぁ✨

時には師弟、時には友達、時には親子の
ような関係を築き、やがて絆へとなっていた
矢先にとんでもない事件が起こる、、


【時代と映画】
映写機が動けば観客の心が動くように
大衆娯楽が映画しかなかった時代。

老若男女が賑わい笑って泣いて歓声が響き
渡る情景が私にとって凄く新鮮だった!
映画館って当初はこういうものだったん
だろう、羨ましいなぁと思わせてくれたー
今はチュロス片手に静かにみてるからね私

その映画館は教会でもあるためオーナーの
神父自ら作品の検閲してて、肌の露出や
キス、暴力描写などをカットして上映を
していた背景があったんだけど、、
その反面、学校だけでなく親までも
体罰が横行していた時代だったのは
なんとも皮肉なもので観てて辛くなった、、


ある出来事が起き、その映画館が改築され
“ニューシネマパラダイス”として再開。
オーナーも変わり検閲を無くしキスなどの
表現が解禁された事で以前のような子供たちの
姿はどんどん消えていき大人の娯楽へと
変わっていく様も悲しい、、

トトの物語と同時に対照的な時代背景を
そっと添えているとこも深みがでて🙆‍♀️


【青年から大人へ】
少年も青年となり大人の恋もしちゃう✩︎⡱
一目惚れした大銀行の令嬢エレナと
雨の中の逆キッスは綺麗でキラってた✨

兵役を終え、久しぶりに町に帰ってきたけど
自分の居場所がなくなり、アルフレードと
再会したその時の言葉。。
「一度旅立ったら帰ってくるな」
「おまえの噂を聞きたい…」
前途洋々の外界を知ってほしいという
思いからかまた忠告をする、、

ここで「おまえには仕事がある」という
以前に言われた言葉がさらに響いてくる…
こんな小さな町でくすぶってんじゃない、
“おまえには仕事(未来)がある”と
ほんとは伝えたかったんだろう。。

トトは意を決してローマに旅立つ。
皆に別れを告げる駅でアルフレードはトトに
背を向け、旅の祈りを捧げた姿を背中でみせる…
その場面はさすがにぐっときた。

その一方では、テレビなどの普及によって
野外映画をやってみたりと試行錯誤しながらも
映画館としての価値や在り方がどんどん
気薄になっていく、、

時代は移り変わってモノクロからカラーへ


【伝説のラストへ】
そして、30年ぶりに町へ帰ってくる、、
その町をみてトトは何を思ったのだろうか…

あのラスト、、私は号泣しました🥺
なぜ泣いてるんだろう、、わからない
言葉にならない程の涙を流しました。。


人と人との”愛”と”絆”はいつも美しい
たとえ時代が移り変わったとしても
色褪せなく変わらない”もの”は多くある…

月並みだけど、映画好きなら鑑賞して
ほしいなレベルの素晴らしい名作でした!
ぜひ一度、ご堪能あれ✨



一口メモ:
去年は50本も観てなかった、、
私をここまで動かしてくれたのは
フィルともさんとの交流だと思ってます🧚‍♀️
だからこのレビュー完成してから一度
全て消えちゃったけど…もっかい書いて
みようと思えたもん☺️Love you…❤︎
Towa

Towa