Barolo

ニュー・シネマ・パラダイスのBaroloのレビュー・感想・評価

5.0
バーやラウンジで、この映画のテーマをピアノが弾いていると、打ち合わせ中や、会話の最中でもつい耳がいってしまう。何故かピアノで弾かれると、ビル・エヴァンスの"ワルツ・フォー・デイビィ"を思い浮かべてしまう。全然違うのにね。パット・メセニーがギターでカバーしていたのも、素晴らしかった。

劇場公開版では、サルバトーレの初恋の人が大人になってからの再会のシーンがまるまるカットされていて、完全版ではそれが再現されており、これもまた素晴らしい。この映画が大好きで、未見の方は是非。

実は公開時に劇場で観てなくて、確か友人男女合わせて5、6人で、たまたまレンタルビデオ屋から借りてきて観たのが最初だったと思う。終わった後は、全員涙腺崩壊だったのだが、アルフレードから、トトへの最後の贈り物の中身が最後まで分からなかったのは私だけだった。みんな途中で察しがついたのだと言う。だが、むしろ、この鈍さのお陰でこの作品のエンディングを余計に楽しめたと思うのは、決して負け惜しみでもなんでもない。

語ることが無意味に思えてまうくらい好きで、だからこそ、語りたくなってしまう映画。この映画に出会ってから、前よりも映画を観るようになった、思い入れのある作品なので、ついつい眼鏡も曇りがちかもしれない。でも、それでいいと思っている。そんな映画が人生で一本くらいあってもいいじゃないか。

一番好きなシーンは、老朽化した劇場が取り壊される場面だろうか。トトと共に歳月が過ぎて老いた知人が見守る中、かつての村で唯一の娯楽の殿堂だった劇場は瓦礫と化していく。変わっていくものもあれば、変わらないものもある。建物が爆破されるところにたまたま立ち会ったトトは、それを見出して思わず微笑むのである。

俺の広場だ!!