ロクに勉学が無い人達にとって未知の世界が知れる最高の娯楽だった映画館が、徐々に形を変え、衰退していく姿。
対照的に無邪気な少年期から恋に情熱を燃やし、街から出て著名になったトト。
ここにモリコーネの音楽が重なって珠玉の2時間。
トトの未来を達観して、親友を突き放した愛情だったり、本気の愛が掴めないトトへの死後の贈り物だったり、アルフレードが素敵すぎる。
街の様子がすっかり変わってノスタルジックな雰囲気の中でも、トトのスクリーンを見る笑った表情が昔から変わっていないのとか、広場のゴロツキだとか、セリフの中にもある「変わった中でも変わっていないもの」がなんだか嬉しい。
編み物の紐がほどけて、止まった先が抱き合う母子のシーンとか、クライマックスは勿論、もうとにかく粋で、映画大好き過ぎる映画で、感無量だった。
完全版は恋の顛末がわかるということで見なくては。