不二子

ニュー・シネマ・パラダイスの不二子のレビュー・感想・評価

3.8
郷愁に惑わされるな。


映画好きは観るべきって言われてたから、映画が主題になるものと思っていたが、あくまで映画は2人間を支えるもの。

人生は決して映画のように、全てが丸く収まらない哀しい真実。

時を経て、変わらぬものと変わってゆくものの対比が一層哀愁を際立たせる。

サルヴァトーレの生き方、人生に彼は息づく。

最後のシーンは失われたものか漸く繋ぎ合わされたこと、彼の言葉が思い出されるということを意味するだけでなく、アルフレードの姿かたちは見えなくなってしまっても、自分の中に息づいているということに気づいたのではないかと思った。

本物の“相手を思いやる愛”というのは鞭ともなり得る。愛の鞭で綴られた言葉は胸に深く刻み込まれる。

当時の映画館はありとあらゆる意味で“娯楽”だった。出会いやセックス、文字通りの娯楽まで多種多様。

ああ思い出しながら書いているだけで泣いてしまいそうだ。さぁ自分のすることを愛して今日も生きてゆこう。
不二子

不二子