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ニュー・シネマ・パラダイスのokadaのレビュー・感想・評価

3.8
2019/11/23 1回目
【2019年177本目】
映画の黄金期。
他のどのメディアよりも、映画が広く親しまれていた時代。
私には想像する術もありません。
しかし、映画の中には、この世界の膨大な映画アーカイブからの引用であったり、過去の作品のオマージュやパロディをすることで、現代に生きる私たちを過去の偉大な産物に誘ってくれる作品が数多く存在します。
この作品も例に漏れず。

この作品は誰に向けて何を語っているのか?
きっと、映画という作品自体を愛した人々、映画を観る人、作る人、そして映画館という空間で青春を謳歌した全ての人々へのラブレターなんだと思います。

結局、アルフレードの形見とは、
神父が毛嫌いしていたキスシーンやポルノシーンをカットしたフィルムの繋ぎ合わせでした。
ラストシーンは、幼いトトとアルフレードが何気なく交わした約束ごとが守られていた事が判明する感動的なシーンでもあるのですが、
既存の映像を違う形で再構築するという行為、
まさにこの映画がやっている事、そのものじゃないでしょうか。
ちょっと違う視点で考えると、
この世の中に公開されてきた映画フィルムの数々、
それと同じくらいカットされ、人目に触れないフィルムがあったと思うのです。今まで人目に触れなかったフィルムにスポットライトを当てる、強く映画リスペクトを感じるシーンでもあります。
繋ぎ合わせているのがキスシーンってところも、愛を感じさせる重要な要因になっている気がしますね。

作品内で映画を観ている人々の多幸感に満ちたあの表情、
それは現実世界の私たちの鏡写しであり、
映画っていいじゃんと改めて思わされました。