J四郎

ニュー・シネマ・パラダイスのJ四郎のレビュー・感想・評価

4.0
名作映画といえば必ず名前が上がるであろう一本。
それがジュゼッペ・トルナトーレのこの映画です。作中に流れる音楽はエンニオ・モリコーネが担当しており、郷愁を誘う心地よさがあります。

とある映画監督が故郷で知人が死んだという報せを受け、彼の少年時代からの回想が始まります。その知人は映写技師のアルフレードで、「トト」少年は映画館に入り浸るうちに仕事を任せられるまでになります。

彼はやがて青年へと成長。アルフレードとの友情は続いていて、人生の先輩の彼は恋のアドバイスをしたりも。彼の助言は豊富な映画知識から来ていて、映画をただボーっと観てるだけじゃなくこういう活かし方をしなければアカンな~と思わせてくれます。

この作品で描かれている映画館の様子はまさに黄金時代。観客は場内に入りきれんくらい殺到していて、彼らの映画への熱狂ぶりもスゴイ。笑ったのが大人は感動の涙を流してるのに子供はハナクソをほじってつまらなそーにしているところ。娯楽が少ない村では映画館の需要が非常に高い。
みんな夢中に鑑賞していて上映中にスマホをいじるバカなんかいません。

面白かったのが神父が映画の検閲をしていて、キスシーンだけでもポルノはアカン!とフィルムを切られてしまう時代。ちょっとした銃撃シーンで老人が過剰反応していたりと観る側もウブです。

この映画を観たのは30年ぶりくらいかな?
これだけの年月を経て観ると映画のノスタルジックな雰囲気が沁みます。劇中でアルフレードが語る台詞に人生は映画とは違う、もっと困難なものだというのがありますが、それがようやく分かる年齢になりました。
J四郎

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