Kamiyo

ニュー・シネマ・パラダイスのKamiyoのレビュー・感想・評価

5.0
1989年 映画「ニュー・シネマ・パラダイス」
(ジュゼッペ・トルナトーレ監督)から。
約3時間(175分)に及ぶ作品だった

久しぶりに観ます もう何回目ね 観るたびに感動が違います
エンニオ.モリコーネの追悼の気持で鑑賞。
あまりにこの映画の音楽が素晴らしいので、メロディーを耳にしただけで、ほんわかした気持ちになることもあれば、涙がでることもある。

大人になれば誰もが感じる郷愁や昔の恋人への想いや大切な人との別れ…
生きていると色々あるけど、一瞬でもそれを忘れさせてくれる映画。
そんな映画を作り出すのは人間。
人を愛したり、憎んだり、人間は滑稽だけど、映画のラストは何度観ても涙の嵐。

貧しいシチリア島の小さな町ジャンカルドで、幼いトトの情熱の全てだった映画館「パラダイス」と、そこの映写技師だったアルフレードとの思い出がある。現在のトトを形作ってくれたものなのに、30年間も帰ることがなかった故郷。

そんなアルフレードがトトとエレナの仲を引き裂くようなことをするのはなぜでしょう。
僕の考えでは、そのヒントはアルフレードが語ったお姫様と兵士の物語にあります。
兵士は99日間も窓の下、満身創痍で耐え抜いたのになぜ立ち去ったのか?
アルフレードには分かっていたのです。
トトの並々ならぬ映画愛と才能、だからこんな田舎町に縛られてやがて消える映画機械技師でいてはいけないこと。
そして今は甘い二人でも、貧乏暮らしが台無しにするであろうことも。
それなら淡い初恋と生家の温もりは思い出としてとっておき、新しい世界へ行って自分の将来へ賭けなさいと導いているのです。
そしてそれは「ノスタルジーに囚われてはいけない」という言葉に表されたのです。
ストーリーも終盤にむかう。アルフレ-ドは、
兵役も終え、成長したトトに告げます。
「街を出なさい。そして、もう街には
 戻ってくるな、電話もするな、手紙も出すな。
 おまえの噂を、耳にできるのを楽しみにしている」と。

ラストでは、試写室でアルフレードの形見のフィルムを見つめるトトの瞳に、いつしか涙があふれ出す。それは検閲でカットされたキス・シーンのフィルムを繋げたものであった。
次々現れるかつてカットされたキスシーンのフィルムをトトとともに見るにつけ、熱い思いがこみ上げてきました。この思いはうまく言葉では言い表せません。
もうすすり泣くなんて、レベルではありませんでした。

他に書きたい事はたくさんあるけれど、ここではアルフレード語録。
「友達は顔つきで選ぶ。敵は頭の良さで選ぶ」
「私は年寄りだ、もうお前とは話さない。お前の噂を聞きたい」
「自分のすることを愛せ。子供の時、映写室を愛したように」
「言葉ではなく、目で見るものを信じよう」

やっぱり、映画って、イイ、最高ですね!!
Kamiyo

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