レオピン

マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたことのレオピンのレビュー・感想・評価

3.8
原題”Marley & Me”
コラムニストのジョン・グローガンのエッセイを元に映画化。監督は『プラダを着た悪魔 』のデヴィッド・フランケル。

動物モノと侮るなかれ。騙されんぞと力んでみても、それでもやっぱり泣いてまうんや。。
子どもを持つことにイマイチ踏み切れなかったインテリカップル。予行演習として子犬を飼うことに決めた。この犬を飼うということを通じて若い二人が成長していくといったお話。

マーリーが家に来てからというもの大騒動の毎日。やがて迎えた初めてのお産で流産してしまう妻ジェニー。だがこの傷心を誰よりも慰めたのは他でもないマーリーだった。
その後は子宝に恵まれ、何と3人の子を産み育てる妻。そしていつもかたわらにはマーリーがいた。

夫のジョンはよりよいキャリアを求めてマイアミからフィラデルフィアへ移ることに決める。この決断も記者として成功できるかもしれないわと妻に尻を叩かれて決めた。ジェニーはまるで中日の落合元監督夫人のようだ。
編集長からは記事に対してのダメ出しを受ける日々が続いたが、次第にコラムニストとしての才能を開花させていく。

そんな日々を過ごしているうちあっという間に時は流れ、とうとうマーリーの衰えは隠せないようになってきた。子供たちと庭で遊んでいても階段でよたつく姿。。


夫ジョンにはオーウェン・ウィルソン。ラスト、動物病院のベッドの上で真剣にマーリーと語り合う。『K-9』のジェームズ・ベルーシもそうだったが、動物相手に真剣に芝居が出来るってホントすごい。また好きな俳優になった。
妻のジェニーにはジェニファー・アニストン。ブラピの元奥さん。
誰も気づかなかったと思うが、犬のスパルタトレーナーに、あのキャスリーン・ターナーがw


ジョンの友人のやり手記者セバスチャンは活躍を認められてNYタイムズへ移籍した。ある日バッタリ町で会ったが、いい年をしてまだナンパをしていた。だがどこか哀れだ。別れ際に振り返った時ジョンの表情は何を物語っていたのだろうか。

権力を相手にしているジャーナリストって、やれ一匹狼だ、無頼派だとかって持て囃されがちだが実際の私生活ではメタメタな人も多い。地に足のついたジョンのような人間がいつまでも残っていって欲しい。

人生の勝負は分からないもの。最後まで誰にも。

ラブラドール・レトリーバーの寿命は12歳前後だという。犬との別れは何よりも哀しく厳しい。その重さは飼ったことのある人にしか分からない。かけがえのない日々を与えてくれた家族に感謝を捧げたくなる作品でした。


⇒動物を飼ったことのある人にはたまらない作品ベスト級
『電脳コイル』('07)、etc.
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