樋口陽介

レベッカの樋口陽介のネタバレレビュー・内容・結末

レベッカ(1940年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

Netflixでリメイクが配信されてたので、まずオリジナルからと鑑賞。
使用人の主人公が旅先で富豪と運命的に出会い、互いに恋に落ち、結婚。冒頭はロマンチック映画の展開。しかし、夫には事故で失った先妻がおり、彼女の影響は、未だに彼らが居を構える邸宅マンダーレの至る所に、また、人々の心に残り続けていた。
マンダーレを取り仕切るダンバース夫人を始めとした周囲の人々から受ける先妻との比較、時折みせる夫の不可解な行動が次第に主人公を追い詰めていく、そして、ある事件をきっかけに先妻の死の真相が明らかになり、物語は急展開に。

主演のジョーン・フォンテーンが上手い。冒頭の恋愛映画のような展開では初心で可憐な少女を、中盤でダンバース夫人に日に日に追い詰められる姿はまるでホラー映画のヒロイン。
そして終盤は夫を支える強い妻へ。
物語の展開と主人公の成長にあわせて見事に演じ分けていた。

また、演出がすばらしく、あえて見せないことで、観客の想像を掻き立てます。最近の映画なら簡単に回想シーンを挿入しそうなレベッカの記憶は、すべて役者たちのセリフ回しのみで表現。

そしてダンバース夫人が怖すぎる。白黒なので余計にホラー感がでていて、まるで悪魔のよう。

正直、オリジナルが素晴らしすぎて、Netflixの新作を見る気がしない。
樋口陽介

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