初期のイギリス時代に作られた映画を除いてヒッチコックの作品はほぼ観たと思っていたが意外にもこちらが残っていたのでリメイク作公開を機に観てみることにした。
ヒッチコックがアメリカに渡って初の作品で彼の代表作の1つに数えられる。
名優、ローレンス・オリヴィエと日本生まれで、姉妹共にアカデミー賞主演女優賞を受賞するという快挙を成し遂げる妹の方、ジョーン・フォンテインを主演に迎え、展開するサスペンス。
大金持ちのマキシムの後妻に迎えられることになった女性が前妻であるレベッカの幻影に悩まされ、少しでも彼女に近づくため努力をするが...。レベッカの死の真相に迫る彼女と隠そうとする彼。そこには意外な真実が隠されていた。
ヒッチコックのカラー作品にあるような派手な演出やカメラ技法的な遊び心みたいなものはなかったが巧みな脚本と確かな演出で後半に進むにつれてぐいぐい引き込む展開を見せ、ラストのモノクロ映像ならではの迫力あるシーンに結実する。
主演の2人は言わずもがなこの2人を食ってしまうほどの演技を見せてくれているジュディス・アンダーソン演じる裏のボス的存在のダンヴァース夫人の不気味さが嫌な感じだった。
さすが代表作だけあって楽しめたな。