一緒に歳をとってきた感じのBeforeシリーズ2作目。やっとレビューしなおし。
9年ぶりの再会、ジェシーが発つまでの残り時間85分を、ほぼ同じくらいの時間で、小気味良い会話とパリの風景で構成。何が起こるわけでもないが目が離せない。
本作から監督と主演2人が共同で脚本書いてて、セリーヌのキャラが”男が夢みる女性”から脱皮して、だいぶリアルになってる。
30代にさしかかり人生のシガラミに囚われている2人。失ったものがあの頃のままで手に入るわけじゃないのはわかりつつも、ひょっとして、と手さぐりしてる感じ。もどかしい。
冗談ぽく「君を見つけたくて書いたんだ」と。リンクレイター監督の思いにも重なるセリフ。
「躁鬱症の活動家」とか「わたしと別れたらみんな結婚」とか…苦笑
後半、印象的なシーンがこれでもかと。つかの間の逢瀬の終わりを感じ言葉が溢れ出す。
「わたしは恋する気持ちをあの一晩で使い果たし、あなたは私の心を持ち去ってしまった」
「君が来なかったあの日から、ぼくは恋することを諦めてしまった」
無言と歌と時間を埋めて行く言葉たち。セリーヌことジュリー・デプリー自作のワルツ弾き語り。
ニナ・シモンのものまねでクネクネしつつ「ベイビー、飛行機に乗り遅れるわよ」
彼らの”思い出”は変わったのだろうか? それは見る側の”思い”次第。
ラストシーンの余韻。
もはや夢現つ。
追記: 2019/12/17
先日パリに行ったとき、この作品の冒頭で舞台になるShakespeare and companyを訪れてみました。こういう老舗書店が文化の発信源になってる街はやっぱり良いもんですね。
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