リチャード・リンクレイター監督はチャレンジャーだなあ〜!すごいなあ!
この頃、もう平行して「6才のぼく」を撮ってたのかな?
この映画は「サンライズ」から9年後の二人の再会の1日、いや数時間を描いているんだけど、
「再会のパート2」的なものと全然違う!
って言うか、普通の恋愛映画とかなり違う!
恋愛映画特有の恋愛的ディフォルメが全くない。
感傷的なBGMも、劇的な演出も一切ない!
あるのは、二人の会話、会話、会話、、、
81分て短い映画だけど、これ以上はもう無理って、凝縮されている。
だって、全編喋ってるんだよ、二人だけで。
もう、イーサン・ホークとジュリー・デルピーって役者さんが演じているってことも忘れちゃうぐらい。
自然、自然!
じゃあ、単に自然に会話してるだけかって言うと、そうじゃないんだよ、これが。
ロマンチックな演出は一切排除してるのに、
ロマンチックだったり、
切なかったり、
きちんと、いや、感傷演出の恋愛ドラマより、よっぽど伝わるんだよなあ!
アメリカの街で会ってたんだって、くだりは「わあ!そうだったん!」て、観客が唸ってしまう!
たけど、オーバーな演出はゼロ
バリの街並みだって、これみよがしに写したりしない。背景に写し込むだけ。
でも、すごく効果的なんだよなあ。
カメラワークも秀逸。
例えば、二人で水上バスに乗るシーン。会話してる二人が建物の影になり、時々暗くなる。
それだけなのに、なんか二人の気持ちの揺れを表しているみたいに感じる。
セリーヌのアパートを訪れるシーンの階段。
「ああ、二人は時間の流れに逆らおうとしているんだな、迷いながら、、」て、
エロチックなセリフも映像もないのに、ちょっとドキドキさせる。
ご本人たちが9年後を演じているのだから、当然だけど、
時間の長さを感じるよね。
変わったものど、変わらないもの。
二人の会話からも、その時間の虚しさ、厳しさがビンビンに伝わってくる。
比べたらいけないけど、エールも込めて、あえて最近の邦画恋愛劇と比較してみるね。
「8年越しの花嫁」
とても真面目に撮ってて、よい作品なんだけど、
8年の歳月の長さが全く感じられなかった〜。
佐藤健と土屋太鳳が全く変わらないだもん。
せめて、体型とか髪型とか別のことで描かれたなら、もっとよい作品になったんだけどな、、、
時間の残酷さが全く描けてないのが残念!
恋愛映画作ろうとしてる人には、「教科書として」観て欲しいとさえ思う名作です!
何気ないようだけど、セリフもかなり意味深い。欧州とアメリカの文化や社会そのものへの見方の違いなんかも、垣間見える。
9年前よりこの時のセリーヌ、ジュリーデルピーの方が好き!