みはしゅん

ビフォア・サンセットのみはしゅんのレビュー・感想・評価

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)
4.1
 「世界の中心で、愛を叫ぶ」の行定勲監督おすすめの2本目。3部作だと知らずに1作目をすっ飛ばして見始めてしまったけど、それでも素晴らしい作品だった。

 本編の8割が2人の会話。夕暮れ前の美しいパリの街並みをバックに、お互いの価値観や9年ものあいだ何があったのかを語り合う2人。

 会話ってこんなにリアリティがあってスッと入ってくるものなんだな。イーサンホークとジュリーデルピーの、演技とは思わせず口からすんなり出てくる言葉達が染み渡るように心に届いてくる。

 一番印象に残ったのは観光船の上での会話。一見幸せそうに見えるがそこにある現実は異なる。幸せとは、運命とは、と心に問いかける2人とパリの空が絶妙に淡い。

 やっぱ結婚ってすごい決断。自分の過去を振り返ることも捨て、未来への可能性も捨て、この人と生涯を共にする!って決断するのってすごい勇気のいることなんだと再確認した。

 結婚して別れることを想像させるのがマリッジストーリーなら、結婚したあとに後悔することを想像させるのが今作。
そんなリアリティ溢れる2人の会話の魔法と美しい街並みが画面を飽きさせず吸い込まれるように観入ってしまうなんだか神秘的な作品でした。また何度も観直したいと思いました。
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