ペジオ

去年マリエンバートでのペジオのレビュー・感想・評価

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)
4.7
何かを「表現」したのでなく、何かを「再現」した映画の様に感じる
その何かは全然解らないけれど、誰が観ても一目で解る計算し尽くされた画面から感じるある種の冷徹さ(この映画の印象そのものである)には、作り手の温度みたいなものが宿る「表現」という言葉ではそぐわないと思えるのだ


あんまり映画と関係ないかもですが…
自分の周りにはアニメ好きが多く映画好きが少ないのだが、ごくたまに「映画観るの時間の無駄じゃねえ」みたいな事言われるので、その時に映画がアニメよりも優れている理由をぶつけてやろうと思って、自分なりに考えてみた事がある(本来は僕はアニメも映画も好きで優劣はあまり無いのですが、優劣つけてくる相手を言葉で殺す為にはそれが有効かなと思い仕方なく。)

アニメはその制作の都合上、本来動いているモノが完全に「静止」した瞬間がよくある
例えば会話シーンならセリフが流れるなか、話している人物聞いている人物共に全く動かないただの止め絵でも成立する(こういう場面だと観客を退屈させない為にカメラが動いている様に絵をずらしていったりしますね。)
映画だとそうはいかない
単なる会話シーンでも役者は細かい芝居を全身でしているし(アニメでそれをしないのは効率化の為でしょうから、ここぞって場面ではメチャメチャしてたりもするのでメリハリの意味もあるでしょうが。)、そもそも現実に世界が完全に静止する瞬間など存在しないから、画面上でも常に何かが動いている…動いてしまうのだ
つまり映画において「静止」したシーンは「あえて」でしか撮れないのであって、そこに「意味」を生み出せる
その事実だけでも映画がアニメよりも表現できることが一つ多いという事の証明ですよね…みたいな考えだったかな(あんまりまとまってない💦)

…っていうのを本作を観て思い出しました
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