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さよなら子供たちのpaterson33のレビュー・感想・評価

さよなら子供たち(1987年製作の映画)
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皆で、チャップリンの映画を観るシーンがとても好きだ。
スクリーンに投影された映像に、生演奏のBGM。戦争中の修道院で、大人も子供も、宗教も関係なくただ目の前の映画を観て笑ったり憧れたりする。みんなの目が頭から離れない。映画って、いいなぁと改めて思う。
あのシーンはこの映画の中で1番幸せな瞬間だったけれど、胸がいっぱいになって涙が溢れそうになった。
「さよなら子供たち」
このタイトルはラストで校長の神父が皆に投げかける「さよなら子供たち、また会おう」から来ている。また会うことなど決してないからこそのこの言葉には、胸が張り裂けそうなほどの重みがあった。
本作はルイ・マル監督の半自伝的映画。
収容所などの直接的な描写はなく、割と終始無邪気で朗らかな印象だが、その中に潜むあの時代の重苦しさと残酷さが痛々しく流れ込む。
1987年ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞受賞。
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