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さよなら子供たちのNYoLoのレビュー・感想・評価

さよなら子供たち(1987年製作の映画)
4.0
クリップしていたものの、どんな話かは全く知らずに鑑賞しました。

どの時代も、戦争下でも、少年は少年。お母さんと離れたくないし、ちょっと自分と違う子がいたらいじめてしまう。才能があれば憧れて、窮地に陥ったら結束する。
そうやって友情が築かれていくのは人間同士だからなのに、宗教や国や政治、そんなもので目の前から友人たちがいなくなってしまうなんて、本当に人間は愚かだ。でも、そんな時代が確かにあったということを忘れてはいけない。ときどき、きちんと考えなければならないと思う。

だから映画にする意味がある。観る必要がある。

笑ったり感動したり、映画の娯楽の側面はもちろん私の人生に必須ですが、考えさせられること、人間の愚かさを思い出させてくれること、これも私にとって映画を観る意味になっています。

無垢な少年とホロコーストといえば「縞模様のパジャマの少年」でも同じことを考えたけれど、本作は、フランスの全寮制カトリック中学校での少年達の日常、という、直接的ではない場所で描かれた監督の体験を基にしているため、より、こんなところにも戦争が‥と、暗い気持ちになりました。

冒頭とラストの少年の涙の対比が印象的でした。

子どもにこんな気持ちを抱かせちゃだめだ。でも戦争は今も絶え間無く続いている。とても虚しくなります。
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