朝の栄光、朝顔=朝の顔?
有能なプロデューサーとしてテレビ業界に人生を捧げてきたベッキー・フラー。
だが、長年勤めてきたテレビ局を突然クビになってしまう。
何とか再就職活動が実り、別のテレビ局に採用されることが決まるが、任された番組は朝の情報番組「デイブレイク」。
視聴率も予算も最低な番組で、出演者やスタッフのモチベーションも最低だった。
彼女はメインキャスターの降板を皮切りに番組の改革を始めるが、やる気が空回りしてしっくり来ない。
そんな中、彼女は憧れの報道キャスター、マイク・ポメロイが同局に居ることを知る。
今では落ち目となり、プライドの高さだけが残ったような彼だが、彼を「デイブレイク」のキャスターに就任させようと奮闘する。
何とかポメロイを獲得したベッキーだが、彼女の努力も虚しく、視聴率は落ちる一方。
番組を打ち切りさせまいと、演出に過激さを加え、あの手この手の攻勢を掛ける彼女だが...。
原題は『Morning Glory』。
つまり「朝顔」のことで、本作のテーマが「朝の顔」であることを考えると、日本語と絶妙にリンクしている感がある。
邦題からするとラブコメのようにミスリードしそうだが、弱冠28歳の有能でバイタリティ溢れる魅力的な一人の女性の話だ。
一応、アダムという彼氏との恋愛模様も描かれるが、二人の感情の機微など細かい部分はあまり描かれていない。
物語としては、可もなく不可もなく、気軽に観れる日本の2時間ドラマ的な感じ。
主人公ベッキーは、有能でやる気満々なのに不器用で空回りばかり。
だが、全身全霊を掛けて仕事に取り組み、そして大きな成果を出す彼女の姿には、絶対応援したくなる。
主役のレイチェル・マクアダムスの可憐で躍動感溢れる存在感にピッタリ。
物語終盤では、番組の出演者やスタッフから、認められ慕われるようになった彼女の姿を見ることができるだろう。
30前の小娘が、年上で実績のあるベテランたちと対等に渡り合える環境。
その人が「出来るやつ」と認識されれば、周りがどんどん協力するようになる環境は、実にアメリカらしい実力主義的な気質の現れだ。
日本の年功序列社会と異る環境は、サラリーマンやってる身としては、羨ましいような厳しいような。
観終わった後、仄かな爽快感に浸れること間違いなし。
ハナマル!
2018/10/27