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ゴジラ対メカゴジラのBACのレビュー・感想・評価

ゴジラ対メカゴジラ(1974年製作の映画)
5.0
 ・それにしても昭和メカゴジラのデザインの見事なこと。もうほとんど奇蹟的と言ってもいいと思う。狛犬のようであり般若の面のようでもあり、あのあざ笑うような顔。銀の塊から切り出したような頭部の中で黄色く光る目。見ていてほんと心地良い。

・昭和メカゴジラは白銀のクールキャラで、あのデザインを見ていての心地良さが、低予算と完全子供向けのためか困ったいい加減なところもある作品の出来をカバーしてるように感じる。下手すれば安さが目立つだけの作品になりかねないところだけど、メカゴジラへの好感のおかげで軽快な作品の印象に受け取れる。

・キングシーサーを目覚めさせるために歌を歌うことが必要なのだが「歌終わったぞ!」と思ったら二番に突入。フルで歌い終わる(笑)普通なら間延びするところだけど、キングシーサー復活への期待感を持続させる。

・メカゴジラのビームを片目で受け、反対側の目から撃ち返すキングシーサー(笑)耳がピンッ!とはね上がる動きも楽しい。

・ガッツポーズで海から現れるゴジラの頭部のヘンな感じ。

・佐藤勝の音楽の効果もあって、メカゴジラが粋でいなせなギャングの悪党のようにも見えてくる。話もブラックホール第三惑星人の地球侵略阻止に動くインターポールとの対決で、SFというより犯罪スリラーといった感じで、そうした印象を受けるのも間違ってはいないだろう。

・終盤の対決でのメカゴジラの全身から繰り出される攻撃の凄まじさ。光線も七色だし雷の形だし派手派手しい。特撮の中野昭慶監督によるパワフルな名場面だろう。

・皮をかぶったロボット、メカゴジラはターミネーター怪獣だな。皮を焼いてその姿をゴジラの前に現す場面、鮮やか。

・沖縄のおじいさん「ゴジラよ、安豆王族を滅ぼそうとしたヤマトンチューをわしに代わってやっつけろ!」それだけで一本映画が出来そうな面白い視点。単に子供向けで終わらそうとしなかったスタッフの意地か。後の「大怪獣総攻撃」を思い出した。

・スコア5.0は高すぎなのは分かってるけど、作品への好感度からするとこうなっちゃうな。
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