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青髭八人目の妻の一人旅のレビュー・感想・評価

青髭八人目の妻(1938年製作の映画)
4.0
エルンスト・ルビッチ監督作。

アルフレッド・サヴォワールの同名戯曲を名匠:エルンスト・ルビッチが映像化した結婚喜劇で、脚本家時代のビリー・ワイルダーが脚本に名を連ねています。

アメリカ人の大富豪:マイケルは南仏のリヴィエラで貧乏貴族の娘:ニコルと出逢い結婚に漕ぎつけるが、実はマイケルには7回もの結婚歴があって、その事実を知り憤慨したニコルは結婚の条件として離婚時に多額の慰謝料を支払うようマイケルに要求する…というシチュエーションの喜劇映画で、女性を物のように購入(結婚)することを繰り返してきた独りよがりな米国人富豪と独特のやり口で彼の結婚観に対抗する新妻の心理的駆け引きと愛のゆくえを軽快なテンポで映し出しています。

力関係が極端にアンバランスな新婚夫婦が織りなす一連の騒動を描いて、対等な関係性こそが夫婦が長続きする秘訣であることを気取らずコミカルに教えてくれる、ルビッチらしい軽妙洒脱な結婚喜劇の佳作で、主演のゲイリー・クーパーと相手役のクローデット・コルベールが対照的性格の新婚夫婦を好演しています。
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