荒野の狼

新・座頭市物語の荒野の狼のレビュー・感想・評価

新・座頭市物語(1963年製作の映画)
3.0
勝新太郎主演のシリーズ第3作にして、初のカラー作品。座頭市の居合いの師匠(川津清三郎)や親代わりの老婆、幼馴染などが重要な役割を演じており、市の生い立ちを知る上では欠かせない作品。派手な切り合いは、それほど多くなく、ストーリーの中心は市と師匠の娘の坪内ミキ子の純愛。特に坪内が、1)竹藪の中を竹の枝を使って(手も握らない)市の道案内をしていく場面と2)美しい満月の下で盲目の市が心に月を思い浮かべる坪内との場面は素晴らしい。目が見えない市の嗅覚などを強調した作品でもある(坪内が近くに来ただけで気配から本人とわかってしまうなど)。派手な殺陣を望む人にはシリーズの他の作品を薦めますが、市のキャラクターの形成を知りたい人にはこの作品はお勧め。
荒野の狼

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