カタパルトスープレックス

新・座頭市物語のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

新・座頭市物語(1963年製作の映画)
3.6
二十六作品ある勝新太郎主演「座頭市」シリーズの第三作目。テーマは「師匠」です。ここからカラーになります。クライテリオン版ボックスセット収録。

今回はかなり込み入ったストーリーです。舞台は座頭市の故郷の笠間です。各地で悪事を働く水戸天狗党の話が縦軸、座頭市の師匠である伴野弥十郎(河津清三郎)とその妹の弥生(坪内ミキ子)との座頭市の関わりが横軸となっています。これに加えて座頭市の幼なじみのエピソードや、前作で座頭市に兄を殺された安彦の島吉(須賀不二男)が座頭市を追う話がこの縦軸と横軸に絡まってきます。

これは脚本家の犬塚稔の手腕なんですかね。ちゃんと三作品に連続性があるんですよ。複雑なんだけど、普通にちゃんと理解できる。しかし、複雑な話なので90分のちょっと長い尺となり、若干ダレているのは否めない。

そして、座頭市のキャラクターがまだ定まっていないのが少し残念。特に弥生との絡み。あれ?座頭市ってこんなキャラでしたっけ?その前にももっといい女はいっぱいいただろうに。まあ、いいや。