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ターミネーター3のシネラーのレビュー・感想・評価

ターミネーター3(2003年製作の映画)
2.5
公開当時に鑑賞済み。
本来ならT1とT2でシリーズの鑑賞を
終えるつもりだったが、
衝動的に観たくなって再鑑賞。
結果、アクションは凄いと思うが、
本当に中身が無いと感じられた。

前作から10年後、
"審判の日"を回避した筈の
ジョン・コナー(ニック・スタール)の
前にターミネーターが現れ、
再び"審判の日"を回避させるべく、
女性型ターミネーターである
T-Xに命を狙われながら奮闘する
物語となっているが、
そのドラマが全体的に薄っぺらい事
での不満が大きい作品だ。
浮浪者となっていたジョン・コナーが、
自身の運命を受容する事での成長
を描きたかったのかもしれないが、
特に目立った活躍もないまま
物語がエンディングとなるので、
成長した印象は皆無だった。
シュワルツェネッガーのターミネーター
に関しても、唐突に自我的なものが
芽生えたようで上手くないと思った。
それ以前にジョンとターミネーター、
ジョンと同じく命を狙われる
ケイト・ブリュースター
(クレア・デインズ)の三者の関係性が
険悪染みていて、
最初から感情移入できず、
誰一人として好きになれなかった。
そこがT2と同じようなロードムービー
でありながらも、雲泥の差となっている
要素のように思えた。
又、前作までにあったユーモアな笑いが、
寒いギャグとなっている事も
個人的に感じられた。

しかし、ターミネーター同士の戦闘や
カーチェイスといったアクション場面は、
見応えあって好きではある。
又、物語の結末自体も公開当時は否定的
に捉えてしまっていたが、
ジョンの存在理由を復権させるような
捉え方もできて、
今ではそこまで否定的に感じる部分
ではなかった。

ドラマ面においての不満は多いが、
単純なアクション映画としてはしっかり
製作されている作品だとは思う。
しかし、中身の無い単純な
SFアクションだけが見所の作品であり、
好んで鑑賞する映画ではないと
思えてしまう内容だった。
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