しぇんみん

ターミネーター3のしぇんみんのレビュー・感想・評価

ターミネーター3(2003年製作の映画)
3.0
運命は自分で切り拓くもの。

前作での死闘から10年_

「審判の日」を回避したジョン・コナーだったが、それでも未来からの刺客を警戒する彼は、隠遁生活を送っていた。

母親サラが白血病で他界したこともあり、生きる目的も無く、日々の糧を得て過ごす毎日。

そして三度、2機のターミネーターが現代に送り込まれることとなる。

女性として現代に出現した最新型T-Xは、未来でジョンの協力者となる者たちを狩り始める。

一方、見覚えのある顔の改良型T-850と邂逅したジョンは、「審判の日は回避したはずだ」と驚く。

T-850の助けを借りT-Xの襲撃を乗り切った彼は、成り行きから幼なじみのケイト・ブリュースターと逃避行を続けることとなる。

その道中、ジョンはケイトが将来自分の副官となることを知る。

そしてT-850は「審判の日は不可避だ。その日を先に延ばしただけだ。」と告げるのだった...。

シリーズ3作目となる本作は、前作で回避したはずの「審判の日」を巡って物語が進む。

女性を模した最新型ターミネーターT-Xは、前作のT-1000を遥かに凌ぐ性能。

体表面の流体合金により触れた人物に変身出来るだけでなく、パルス砲や火炎放射器の内蔵火器を備え、加えてナノマシンを放出することで自動車などの機械類を遠隔操作することが可能だ。

対するT-850は、前作の守護神T-800の改良型ではあるが、肉弾戦のみで力不足感は否めない。

敵わぬと分かった相手に無謀に立ち向かう姿は燃える要素満載。

物語中盤の、重機を使用して街を破壊しながら繰り広げるカーチェイスも迫力満点で興奮必至。

俳優たちの演技もまぁまぁ...。

...なのだが、ジョンたち主人公3人の関係性が薄っぺらいうえ、彼らの仲が壊滅的に悪くて感情移入しずらい。

これは致命的マイナスポイント。

T1ではカイルとサラの、T2ではサラとジョンそしてT-800の、その互いを想う圧倒的な愛情が描かれることで、キャラクターと物語に真実味が生まれ、終盤の感動に繋がった。

だが、本作ではシリーズの肝とも云うべきジョンとケイトの出会いも、近所の気になる子程度の描かれ方で、各キャラクターが彼らでなくてはならない理由が希薄なのだ。

あと、キャラクターたちが、説明的なセリフを多くしゃべるのも気になる。

特に悪いのは、殺人機同士のラストバトルが、余韻もへったくれも無くあっさり終わること。

燃やしても爆破しても、しつこくしつこく食い下がってくるのが、ターミネーターがターミネーターである所以ではないのか。

そしてラストもあっさりと幕を閉じる。

スカイネットの正体はネット社会的なものに改められており斬新だと思ったが、作品の本質を理解していない様な演出で、取り敢えず続編を作りました感が強い作品になってしまった。

残念!

2019/10/30
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