ノリオ

ターミネーター3のノリオのレビュー・感想・評価

ターミネーター3(2003年製作の映画)
1.5
知人が“ターミネーター4”を絶賛していたので、とりあえず未見だった“3”を先に見ることにした。

ジェームズ・キャメロン、リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロングとスタッフ、キャストの主要人物たちが相次いで降板するという非常事態に、それでも続編を作るのか? と世間を驚かせたのを記憶している。

“審判の日”がやがて訪れるという“予言”をほざき回ったところで、間違いなく狂人扱いされる。そんな“予言”を子守唄のように聴かされ育ったジョン・コナーがまともに育つはずがない。しかも前作で“審判の日”は回避されたと思っているのだから、まったく目的意識を持たず日々を過ごしている。

正直、“審判の日”なんて訪れずに英雄になるはずだったジョン・コナーの狂人染みた“余生”の方がよっぽど興味があるが、それではターミネーターシリーズになるはずもないのでとりあえずターミネーターはやって来る。

クレーン車のカーチェイスシーンなどは中々見応えがあるが、これまでのシリーズの作品の奥行きが何故か感じられなくなっている。


“審判の日”というまったくリアリティのない未来のために、人知れず戦わなければならないコナー親子の孤独感、それでも来るべき絶望的な未来を信じて戦うの自分たちしかいないという使命感。
特に前作にはそれらを強く感じることが出来たし、スカイネットの全容が見えないところにテクノロジーの恐怖も感じさせた。

そういった意味で、今作は物語のスケールは大きくなっているはずなのだが、何故か窮屈に感じてしまうのかもしれない。


シュワルツェネッガーは55歳にしては素晴らしい肉体かもしれないが、一回り小さくなったという印象は拭えない。大量生産のT-800(正確にはT-850という後継機)がこれまでより老けているというのも若干寂しい感じるはする。

破綻ギリギリ(もしくは破綻)でどうにか続編を成立させるのは大変だっただろうが、やはり“2”で終わらせていた方がよかったのかもしれない。
とりあえず“4”に期待である。


蛇足だがこのとき23歳のクレア・デインズは何故か妙に老け込んでいるのが非常に残念である。
ノリオ

ノリオ