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面影のseapony3000のレビュー・感想・評価

面影(1948年製作の映画)
5.0
浜辺で妻の生写しの上司の妻に点けてもらった煙草の火が、目覚めた蚊帳の自分の手にある。素晴らしい描写に興奮する。美しくて悲しいひと夏の想い出。竜崎一郎と菅井一郎、どちらの男たちもつらいが、終盤いきなり感情を爆発させて嗚咽する美しき若妻、浜田百合子の、セリフなどでは説明のされない気持ちに心打たれる。もう戻ってこない男の部屋のカーテンを風が揺らす。メロドラマにうっとりしつつも心が凍りつきそうになる。そして笠智衆はまたお調子者の役。
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