乙郎さん

話の話の乙郎さんのレビュー・感想・評価

話の話(1979年製作の映画)
4.5
ノルシュテインの作品を何本か観たけど、これが一番良い。
冒頭で語られるように「話の話」とは「夢の話」なわけだけれども、夢というのが、幼年時代への憧憬とか、祖国の忌まわしい歴史とか、歴史記憶と結びつくものであり、それが表現技法と合致している。
その表現技法とは切り絵だったり、あと無声映画的な手法だったりするのだけれども、これが幼い時に熱を出した夢のような、タイムレスで、でも歴史的事実と確実に結びついていて、悪夢のような甘美なような、そういった矛盾した要素を結びつけるようでとても良かった。
乙郎さん

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