Jeffrey

ファントマ対ジューヴ警部のJeffreyのレビュー・感想・評価

ファントマ対ジューヴ警部(1913年製作の映画)
3.5


「ファントマ対ジューヴ警部」

冒頭、ある夜。パリのパレス・ホテル、公女、医師、滞在する部屋、忍び込み、物色、物音、名刺、金品、投げキス、フロント、被害、ボーイ、通気口、地下室、ダイナマイト。今黙示録的光景が写し出される…本作は生涯に渡って800本に及ぶ映画を監督したルイ・フイヤードの初期作の5本が収録された傑作BDで、この度購入して鑑賞した。この作品は全5部構成(1部につき約55分から90分の上映時間)による5時間半に及ぶ連続もの映画で、第1部が1913年5月9日に公開され残りの4部は後に2、3ヶ月の間を置いて順次公開されていたそうだ。

この作品は20世紀初頭のパリ、暗躍する謎の犯罪王ファントマを伝説的連続活劇として描いた当時根強い人気を誇った作品で、後に漫画化やテレビドラマ化までされている。今回のBDの中にはトータル373分の5本が収録されており、全て鑑賞したが最高だ。第7芸術にも関わらず、資料映像のような魅力的な当時のパリの風景が映し出されるのは素晴らしい。それに幻影的で画面の奥行きを活用した演出も巧みだ。野外撮影も迫力ある爆発から室内での会話劇等も見所の1つだろう。

こちらはシンプロン急行の大惨事に始まり、クロコダイルにて、幽霊屋敷、黒衣の男の順に話が始まる。


汽車をロングショットで岩山の間からとらえる外はすごいスタイリッシュでかっこいいの、当時のフランスのリヨン駅や、汽車の中の風景などが見れて非常に良い。今から100年前のフランスの風景が見れる貴重な映画だし、こんな高画質で見れるのは幸せだ。それと列車同士の衝突の迫力も凄い。

それと窓から這いずり回る蛇のシーンはインパクトがある。その次の次が潰れたりするシーンとかもなかなかグロテスクだ。ラストも印象的な爆破の崩壊だし面白い。
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