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死への逃避行の2MOのレビュー・感想・評価

死への逃避行(1983年製作の映画)
3.7
“殺人そのものは語る舌を持たないが、何かが代わりに訴える”
亡きものを重ねる物語は虚構に過ぎないが、その眼差しには愛が存在する。

全部、ウソ。愛してたことだけが本当のこと。

なあに、平凡な男の哀しいひとりごと。
慰めの言葉をクロスワードのように当てはめて、薄れゆくあの日の情景に色を塗り足しているだけ。
謂わば死への逃避行がやがて終わるその日まで。その退屈な旅路に、虚構を覗き込んでは彼女の影を追いかけているだけ。

「誰もが誰かを追っている」
“誰か”は、誰しも過去にいる。
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