アキラナウェイ

ありふれた事件のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ありふれた事件(1992年製作の映画)
3.5
その男、凶暴につき。
これはまさに狂気!!

ベルギーのレミー・ベルボー、アンドレ・ボンゼル、ブノワ・ポールブールドの3人が共同で監督・製作・脚本・出演・撮影を務め、1992年公開当時、世界に衝撃を与えた問題作。

殺人鬼の姿をドキュメンタリー映画の撮影スタッフが追うというモキュメンタリー形式。モノクロ画面から迸(ほとばし)る狂気は、真に迫るものごある。

殺人を生業にするベン(ブノワ・ポールブールド)のドキュメンタリー映画を製作する為、彼の日常に密着する監督のレミー、カメラマンのアンドレ、録音技師のパトリックの3人。やがて、彼らもベンの殺人に加担する様になり—— 。

いや、こりゃもう胸糞が悪い。
ベンの尊大な態度がひたすらイラつかせる。
1,000回死ねばいい。
どんな天罰もこの男には生温い。

列車の狭い通路をすれ違う女性を突然襲う。
早朝の郵便局員を羽交い締めに殺す。
ある父親、母親を殺し、その子供も殺す。
誕生日を祝ってくれていた友をも、突然撃ち殺す。

何度も橋の上や石切場から捨てられる遺体。
被害者の身体に合わせた、彼なりの重りの拘り。

悦に浸って自慢話を繰り広げるこの男は何なんだ。

悔しいかな、手際の良い仕事ぶりと、被害者役の皆様の演技が実に見事で、観ている者は現実と虚構の狭間で迷子になってしまう。

奴の脳天を銃弾が貫く時、
心から安堵した。
そして静寂のままエンドロール。

すんごいのを観てしまったなぁ。

タランティーノ、デ・パルマも絶賛したというが、彼らの作品の方がエンタメとして昇華出来ており、フィクションとして楽しめる。こちらは、もうちょっとリアルの境い目に寄せてきている分、笑えない。

笑えないけど、これも映画のお勉強。

テレレッテッテ〜♪

アキラナウェイはレベルがあがった。
グロたいせいが1あがった。
イラつくしゅじんこうへのたいせいが1あがった。
あたらしいさつじんほうほうをおぼえた。