まなみ

ありふれた事件のまなみのレビュー・感想・評価

ありふれた事件(1992年製作の映画)
-
観たよ




殺人犯の生き様を痛快に描いたフェイクドキュメンタリー

映画開始ものの数分で早速殺人
あれよあれよと人が殺され、観ている側の感覚を麻痺状態に陥れていく…
まさに「あれふれた事件」状態に

主人公ベンの平気で人を殺す冷酷さと気前の良い豪快さに不思議と魅了されていく撮影クルー達
クルー達も一緒にノリノリで悪行を手伝います←おい白石

「金を奪うために人を殺す」そう話すベンは芸術家気取りのサイコ野郎なのですが、気に入った相手や家族に対しては非常に優しく、撮影クルーに食事を断れて拗ねるあたりなんてなんかちょっと可愛い笑

気まずすぎるベンの誕生日会の食事シーンは来るぞ来るぞ来るぞーと謎の高揚感からの爽快感←
SEX中のカップルを襲うシーンなんかはモノクロながらとてもショッキング🙈

しかし計算外とは言え逃げる子供を追いかけ回したあげく殺したのは如何なものか?
両親を殺され恐怖の中で死んでいった少年がとても可哀想で…

ベンの母親は息子が殺した少年の事件が新聞の記事に載っているのを見て犯人を切り刻んでやりたいと言う(母親はベンが殺したとは思っていない)
そんな母親の描かれ方は滑稽でもあり、またとても哀れでもある…

沢山の人を殺したベンの結末の愚かさといったら無い

悪趣味とユーモアが入り混じる構成の妙により、ぐいぐいと知らぬまに作品自体に引き込まれていく…不思議な魅力のある映画でした
まなみ

まなみ