けーな

ザ・デイ・アフター・ピースのけーなのレビュー・感想・評価

4.1
英国の俳優ジェレミー・ギリーが、9月21日を「国際平和の日(ピース・デー)」と制定するために奔走し、国連が制定するに至った日々を綴るドキュメンタリー。

これは、皆に観てもらいたい。その理由は、もちろん、ピースデーのことを知るためもあるけれど、それ以外にも、映画好きな人には、見どころなシーンもあるから。

無名な俳優のジェレミー・ギリーが、あらゆる機関に働きかけても、動きがなかったにもかかわらず、セレブが動くと、状況が一転するシーンが興味深いので。その1人が、アンジェリーナ・ジョリー。普通の民家に、リムジンで乗りつけるとは、さすがだ。しかも、彼女の一言で、周りを動かすのだから、セレブの力って、すごい。

そして、もう1人は、ジュード・ロウ。ジェレミー・ギリーから依頼され、ジュードは、ジェレミーと共に、紛争真っ只中のアフガニスタンを訪問していて、その様子も映し出される。2007年のことだ。銃で狙われながら、紛争地帯を歩くシーンもある。そのことは、以前から知っていて、この映画を観たいと、ずっと思いながら、なかなか実現できずにいたので、今回観ることができて、本当に良かった。ジュード・ロウのファンだけど、さらにまた好きになった。

ピースデーの具体的な内容は、未だ世界中で続いている紛争や内戦をせめて9月21日だけは、停戦にしようという考え。その日1日だけは、世界のどこでも戦いが起きていない状態にする。そうすることで、その日に、紛争地帯の子供達に、ワクチンを打ちに行ったり、支援物資を届けることなどができるというわけだ。365日のうちの1日だけだけれども、それは、大きな意味を持ってくる。

ジュード・ロウが手助けした活動は、アフガニスタンで、紛争地帯の子供達に、ポリオのワクチンを打つために、9月21日だけは、紛争を止めるよう、諸機関に働きかけ、さらには、タリバンにも依頼し、タリバンのリーダーから了解をもらい、ワクチン接種を可能にした。それから、14年経った今、これを観て、アフガニスタンの情勢が、以前より悪化していることに胸が痛んでならなかった。

YouTubeで日本語字幕付きが、9月21日に無料配信されている。10月に入っても、まだ配信中なので、よろしければ、ぜひ観て下さい。

ジュード出演作品で、上映がこれから先の物以外では、コンプリートまで、残り1つになったけれども、日本語字幕付きDVDが発売されていない過去作をどうやって観るかが問題…。
けーな

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