KOUSAKA

春のソナタのKOUSAKAのレビュー・感想・評価

春のソナタ(1989年製作の映画)
4.2
ザ・シネマメンバーズにて鑑賞。

エーヴの初登場シーンの切れ味よ😆しれっと登場して最高やったな〜。よ!待ってましたって感じ😆

異常に整理魔で、かつお花好きのジャンヌ。今作は四季物語の「春」だけあって、本物の花はもちろんのこと、登場人物の服装や、部屋の壁紙やカーテンなど、色とりどりの「花柄」デザインが頻出して、強く印象に残りました。

ナターシャがジャンヌを自分の部屋に案内するシーンが2回あるんやけど、真っ暗な部屋に入っていって、照明をつけたり、窓を開けた瞬間にパッと明るくなって、部屋の壁紙などの「花柄」デザインがドーンと目に入ってくる演出が凄く良かったです。まさに暗い「冬」が終わって、色鮮やかな花々が咲き誇る明るい「春」が訪れたことを表現しているように感じました。

そういえば、自分の部屋にもジャンヌが花を買ってきてくれたことに喜んで、ナターシャが小走りになるシーンは、彼女の大人になり切れていない子供っぽさが表されていて可愛いらしかったです。

ジャンヌとナターシャの2人がソファの上で会話するシーンもすごく良くて、コリンヌのパーティー会場ではナターシャだけがくだけた感じでソファの上でお姉さん座りするんやけど、そのあと移動してナターシャの家に着いた時には、ジャンヌもお姉さん座りになっていて、こういう何気ない演出によって2人が打ち解けてきたことが分かるんですよね~。

ジャンヌVSエーヴの哲学論議は、中盤のクライマックス😵時々マウントを取ってくるエーヴに対して「でも、成績はAよ」と返すナターシャが微笑ましい。

そして終盤のクライマックスは、ナターシャのお父さんとジャンヌの恋の駆け引き。これは引き込まれたわ~🫣全編通して、少なくとも自分が見たロメール作品の中では1、2を争うほどの名脚本だと思いました。

今作は、都会(パリ)と田舎(フォンテーヌブロー)の両方の魅力が味わえる観光映画でもあるし、色々な切り口の魅力に溢れた、かなりの傑作だと思います‼️
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