このレビューはネタバレを含みます
分霊箱を探す旅に出たハリーたちは、人攫いとデスイーターたちの追ってから逃れながら、ヴォルデモートの陰謀に迫っていく。
最終章全編となる今作は、死というものが今までのシリーズの中でも、1番身近に感じられる作品だった。デスイーターたちがハリーを捕らえようとする中で、彼を守ろうとする多くの友人たちが危険に晒される。戦いの場面が多く、アクションムービーとしても完成度の高い作品になっている。
今作で印象に残ったのは、ロンがハリーと仲違いをしてからの、助けに戻ってきて分霊箱を壊すシーンと、ドビーがみんなを助けて死んでしまうシーン。
ロンの活躍っぷりはかなり目立っていた。姿現しの時に、腕に傷を負うシーンだったりもそうだけど、ロンは精神的に強いタイプではなく、どちらかと言うと大丈夫かなって心配になることが多いけど、ここぞって時に大事な仕事ができる、頼り甲斐のある男だなと感じた。分霊箱にハリーとハーマイオニーが冷たい言葉を吐き捨てる幻想を見せられたけど、惑わされることなく幻想を断ち切る強さがあった。分霊箱側からすれば、むしろ火に油を注ぐ結果になった。
ドビーが死んでしまうところは、とても悲しく1番印象的なラスト。正直、この作品に登場する人物の中で、圧倒的に最強なのがドビーだと思うが、あんなナイフみたいなもので呆気なく死んでしまうのかと不思議にも思った。秘密の部屋以来はあまり出番のなかったドビーが、この重要な局面で危機一髪のところを救うところがいいなって思う。
誰しも、大切な人が傷つけられたり、危険な目に遭ったり、いなくなったりしたら、正気ではいられなくなる。そんな状況下でも、自分自身と相手を信じて、想い続ける力が奇跡を起こすのかもしれない。
