ダースベイダー主演の超能力アクション。
ブルーレイ版は高画質の割に、どこでも安値で投げ売り状態なので、好きなら買い。
ある日突然、テレポーテーション能力に目覚めた主人公は、家出して、銀行の金庫の中へ「ジャンプ」し、大金をせしめてはゴージャスライフを楽しむという、自堕落極まりないニート生活を続けていた。
しかし、実は古より、世の摂理に反する存在として「ジャンパー」たちを狩る(=殺す)者たちがいたのだった。
彼らの組織の名はパラディン。
かくして、何も知らなかった主人公は、パラディンとの壮絶な戦いに巻き込まれてゆく事となるのだが・・・・・
当初より三部作構想だったのが、世間の評判が芳しくなく、今もって続編の話は全然聞かないという、いわゆる「コケちゃった映画」。
低評価の主な理由は、多分、主人公に感情移入できないということだろう。
なにせ、本当に救いがたい。他人の金を盗んでは、仕事もせずに遊びほうけているだけ。
どこへでも「ジャンプ」できるから、今日はエジプト、明日はイギリス、なんて感じで旅行し放題な上に、やっていることはナンパ。
家庭環境に問題があるんだけど、それにしても酷い性格で、まったくヒーローには見えない。
だから、パラディンに狙われても、「ざまあみろ」と思われちゃうんじゃないのか。
なにせ、こういった映画の主たる観客は、低所得者層だからねえ。
超能力を悪事に使って、ブラブラ遊んでいるだけじゃ、そりゃ反感買うわな。
だけど、個人的には、何かこの映画嫌いにはなれないんだよなあ。
劇場で予告編みた時はけっこう興奮したのを覚えているし。
「ジャンプ」の映像表現が斬新だし、パラディンとのバトルも悪くはない。
身構えずに、軽い感じで観るポップコーンムービーとしては、良くできたほうだと思うんだけどね。
ただ、三部作作る気満々でいたからなのか、とにかく尻切れトンポで終わっちゃうし、回収できずにいる謎やら伏線もある。
だから一本の映画としてみると、ひどく中途半端な印象を受けてしまう。
とりあえず一本目だから、もう少しまとまった内容だったら良かったのかも。
きっと、続編があれば、悪い子だった主人公も段々と改心してきて、ヒーローぽくなっていたのかもしれないし・・・。
よく分からないのは、敵組織のパラディンの設定。
全世界規模で活動していて、とにかく「ジャンパー」を追い詰めて抹殺することだけがその目的(らしい)。
この組織、歴史がかなり古いみたいなんだけど、その活動資金とかどうしているんだろう?かなりかかると思うんだけど。
株とか不動産とか投資事業でもやっているのか?
「ジャンパー」を捕まえて、軍事利用か何かにするっていうんなら話も分かるんだけど、問答無用で殺しちゃうし。
何の利益があるんだろうか??
人類のためには「ジャンパー」を排除するしかないって思い込んでいる、狂信的で危ない集まりにしか見えない。
このパラディンについての詳細は、次回作以降で明らかにしてゆく予定だったのかもしれないけれど。
途中から登場する、もうひとりの「ジャンパー」であるグリフィンは、なかなか味のあるキャラクター。
バトルとなると、単に「ジャンプ」して逃げるという戦い方だけでなく、自分以外の物体を「ジャンプ」させて攻撃するといった芸当も見せてくれる。
日本人としては、ロケ地として東京も出てくるのが嬉しい。