アメリカ、荒野のど真ん中にある寂れたモーテル&カフェ「バグダッド・カフェ」。
そこに現れたのは、夫と喧嘩してヤケになって車を飛び出した、ドイツ人の太っちょおばさん・ジャスミン。
ダメ夫が家を出て行った直後だった女主人ブレンダは、何も無いこの場所に徒歩で現れ、滞在するジャスミンに不信感を露わにする。
ジャスミンは、ブレンダに邪険に扱われながらも、ブレンダの家族やカフェの店員、客と交流し、信頼を得ていく…
日本でミニシアターブームを引き起こした作品。
ジャスミンとカフェの人達との交流を描いた、ハートフルな物語…なんだけど、出てくるキャラクター達が皆ちょっとズレてて、なんともオフビートなコメディ映画。
個人的お気に入りキャラは、ブレンダの家出した夫。あの人、どうやって生活してたんだ?
あと映像の撮り方も独特な間と構図。
特にオープニング、カメラが斜めだったり、短い動作にいくつものカットを挿入したり…
居心地の悪さ、の表現なのかな。
それが後半になるにつれ、居心地の良い見やすい映像に切り替わっていく、と。
アメリカの荒野の、茹だる様な暑さの光の表現と色彩も良かった。
こちらも後半では暑さをあまり感じない印象になってたのよね。ジャスミンが来てからのバグダッド・カフェは、さながらオアシスのよう。