鷲尾翼

恋はデジャ・ブの鷲尾翼のレビュー・感想・評価

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)
4.0
【まとめシネマ】#345

【まとめ】
* 画期的なタイムリープ
* ギブ&ギブ
* 質のあるメルヘンコメディ!

本作の特徴としてビルマーレイ演じる主人公が経験するタイムリープの原因や説明が一切ないところ。そのため、本作の軸はタイムリープの脱却ではなく「タイムリープした世界でどう過ごすか」にある。

その上で、本作で画期的だと思う部分がタイムリープの演出。
通常、タイムリープの現象の見せ方として「朝起きるシーン」と「1日が終わるシーン(何者から殺されたり、自殺など)」があれば成立する。しかし、本作には前半の軽くある程度。

本作のタイムリープの使い方が、ビル・マーレイがヒロインと好みを合わせていくシーンでよく使われる。例えばバーでの注文で「俺はビール」「私はジンのロック」と好みが分かれると、そのシーンからやり直して「俺はジンのロック」「私も」と、どんどんヒロインの好みをテンポよく知りながら進んでいくのが画期的でGOOD!

本作のテーマが「ギブ&ギブ」
最初は自分が幸せになるように「ギブ&テイク」のテイクを待ち続けながら。繰り返される1日を過ごすが、うまく行かない。次第に街のヒーローとなり、自分を限りある時間を犠牲にしながら困っていく人を助けていくのが、あのラストに繋がる。

また「1日が永遠に繰り返される」という絶望を楽しむかのように、特技をどんどん身に付けていくのもユニークかつ、良い時間の過ごし方だと思う。

本作はコメディアンでもあるビル・マーレイの質のあるコメディはもちろん、メルヘンチックな世界観、そしてメッセージ性も素晴らしい作品!
鷲尾翼

鷲尾翼