シネラー

恋はデジャ・ブのシネラーのレビュー・感想・評価

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)
4.5
『ゴーストバスターズ』でお馴染みの
ビル・マーレイの主演で製作された
ループコメディ映画を初鑑賞。
軽い気持ちで鑑賞してみたが、
何とも晴れやかな人生観を描いた
素晴らしい映画だった。

自己中心的な気象予報士である
フィル(ビル・マーレイ)が同じ2月2日を
繰り返し続けるループの世界に陥り、
自暴自棄になりながらも成長していく
物語であり、
前半部分ではフィルのその性格から
私利私欲にループを活用する展開が続くが、
後半部分では誰かの為に行動する事で
田舎街の住人達から尊敬されていく展開
となっており、
コメディ的ながらも人間的な成長を
描いた良い作品だと思った。
その物語のテンポ感も清々しく、
間延びした印象もなかった。
又、本作の題名だけだと、
恋愛描写が強いと思えてしまうが、
そこまで作中において恋愛要素に重きが
おかれている訳ではない。
確かにヒロインである
リタ(アンディ・マクダウェル)との交流
は重要であるが、
あくまで作中の恋愛成就が物語の着地
でない事も個人的に良いと思った。
後半部分において、フィルが
人の避けられない死に直面する場面は、自然と物悲しく涙が出た。
何故ループが起きたのか
原因は分からないまま物語は終わり、
ループを終わらせる為にフィルも特別な
行動はしていないのだが、
そこは世にも奇妙な世界に迷いこんだ
と解釈する部分だと思った。

明日がどうなろうと今現在が一番
大切である事を伝えてくれる
作品であり、
心の持ちようで退屈だと感じていた
一日を変えられるかもしれない
と思える映画だった。
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