Aimi

恋はデジャ・ブのAimiのレビュー・感想・評価

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)
3.5
よくある「同じ日を繰り返す」系なんだけどビル・マーレイ氏の演技が面白くてとても楽しめた。
ただ楽しいだけじゃなくて、同じ日を繰り返すことによって経験する虚しさや哀しさもきちんと物語に練り込まれていて、この設定ありきの恋愛ものとしてきちんと成り立っているところがとても好感触。

最初はやりたい放題するんだよね。私もしちゃうと思う。だって何したって、例えば犯罪犯したって、その日が終わればまたその日の朝から再スタートなんでしょ。味をしめればナンパから何から手を出して、あげく命も投げ出しちゃう。もう心は晴天そのもの。

けれどだんだんと虚しさの雲が心を覆っていく。
せっかく誰かと知り合っても、
せっかく誰かと親密になっても、
せっかく何かを成し遂げても、
その日が終わればその人は自分のことを覚えていない。親密さは消えていて、その成果は無になっている。
ここで命を投げ出すことの意味がガラリと変わって、物語は深刻さを増していく。

そこからまた色々あって、雲間から太陽が見え始めてくる。
人って、心の持ちよう一つでこうも「何か」に対する取り組み方が違ってくるんだなって終盤マーレイ氏を応援しながらしみじみと感じた。

私たちは彼のように、例えば今日2015/2/25を繰り返すことはないけれど、ともすればその毎日は2015/2/25を繰り返すような変化のない日々になり得るし、そんな日々の只中にいる人もいると思う。
けれど心の在り方ひとつで、その変化のない毎日はたちまち色鮮やかに輝いたりすることもできるはずで、それは別に「恋人ができた」とか「子供が生まれた」とか、そんな外的要因によってもたらされるものじゃない。
例えば「前から興味あったギターを本格的に練習してみよう」とか。そんな、自分の小さなスタートひとつで、毎日はとまんに変化に富んだものになる。
そんな毎日を過ごせば自ずと人生のみならず表情やオーラが変わってくるんだよね。

無駄な日なんて1日もないんだなって、改めて感じさせてくれました。