ひろひろ

恋はデジャ・ブのひろひろのレビュー・感想・評価

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)
5.0
ふと思い出して久しぶりに鑑賞。
やっぱり大好き。

"今を生きる"とか"今日を大切に"とか"カーペディエム"とか…いろんな表現の仕方があるけれど、まさにこの一瞬を必死に生きる大切さを、丁寧に、そして可笑しく描く本作。

人は誰しも誰かに必要とされたくて、誰かを愛したくて、愛されたい。
それは時に自己中心的でありながら、犠牲的な側面をも含み、悪く言えばそんなひとりひとりの偽善やエゴがぶつかって社会は成り立っているのだろう。

主人公フィルが、天気予報士やキャスター、タレント、有名人などという肩書きを忘れ、自分自身を「フィル」と呼ぶように変わっていく過程がなんとも美しい。

本作のタイムループの意図は、おそらく色んな解釈ができると思う。
愛する人ができるまでと捉えればラブロマンスに。
徳を積むまで捉えればヒューマンドラマに。
死を知るまでと考えればホラーに。
はたまたウッドチャックの予言と捉えればSFに。笑

タイムトラベルの金字塔『BTTF』をはじめ、『アバウトタイム』や『テネット』に至るまで、「時間」を題材とした作品には、共通して「今の大切さ」を描いていると思うが、本作ほどラフに、それでいて人生をまるっと包み込むような優しさは唯一無二。

主演ビル・マーレイのコミカルな演技はもちろん、アンディマクダウェルの輝くような笑顔、そして作品全体を彩る音楽もピカイチ。

今日は昨日の明日。
当たり前であり、この有難い自然現象が、なんとも尊いものに感じられるはず。
ひろひろ

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