No.893[こんな永久ループはイヤだ] 100点(ATB)
「ラベンダー・ヒル・モブ」を見て思い出したのが本作品。両者全く関係がないのだが、私の中で一番楽しかった”トーキー以後の外国産コメディ”は本作品だ。想い出記録。
本作品の魅力の中心にいるのは勿論ビル・マーレイだろう。私からすれば何をしても”何かをしているビル・マーレイ”なのだが、本作品ではそれでピッタリあっていると思う。最初の嫌味過剰なマーレイも途中の自暴自棄マーレイも最後のなんでも出来るマーレイも、なんだか可愛らしいのは何故だろう。実は好きなコメディアンだったりするのかしら。
タイムループものは数多くあるが、本作品ほどループが気にならないものもないだろう。原因はループ可能回数が無限であることにあり、回数制限がある他の映画に比べてもその儚さなどが薄い分、いらないシーンはズバッと切っている。まるでゲームのリスタートの様にテンポよく繋げていくさまは見事としか言いようがない。
また、ループものはバタフライエフェクトと併用されがちだが、本作品はそんな甘い考えをぶった切る。エフェクトが乗るのはループ内の人物ではなく、マーレイその人なのだ。うわぁ…そんな脚本書けねぇなぁ
マーレイは何日間2月2日を繰り返したのだろうか。トランプを帽子に投げ入れられるようになるまで?ピアノが達人級にうまくなるまで?フランス語の詩を覚えきるまで?私なら気が狂うだろう。しかし、気が狂ったところで、明日も2月2日なのだ。