昔読んだ西澤保彦の「七回死んだ男」の元ネタがこの映画だったんですね(あれはよくできた話でした)。非常にオリジナリティあふれるSFラブコメディ(?)です。こういうゲーム性のある話は大好きです。
主人公は同じ1日を無限に繰り返す中で、女を騙してみたり、犯罪をおかしてみたり、自殺してみたり、人助けをしたりと、ありとあらゆる行動パターンを試みるわけですが、この特殊設定を徹底して遊び尽くす実験精神を評価したいです(何事でも徹底することは素晴らしいことなのです)。
そのうえ、ただのドタバタコメディに終わらず、ループを繰り返す中で傲慢だった主人公が真面目で心優しい人間に変わっていくというドラマを組み込んでいるところも実に巧みです。
主人公がループから抜け出せた理由の説明がないのが納得いかないところではありますが、考えてみれば、最初になぜループが起きたのかの説明だってないんです。もともとご都合主義の映画なんだから、これはこれでいいんじゃないですかね。