ネムラナイバカ

ルー=ガルーのネムラナイバカのネタバレレビュー・内容・結末

ルー=ガルー(2010年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

「昔、狼というけだものがいたそうだ。でも、狼はーー絶滅した。そういうことになっている」
印象的でこの映画を表している終わり方だと思う。最後のこの部分がなかったら、もっと点は低いと思う。
正直、微妙な映画だ。作画のクオリティも低いし、出てくるキャラクターに人間臭さが感じられないし、世界観の説明が足りてなくて、よくわからないまま話が進む。管理され監視された社会で、絶滅したはずの狼が、管理する側に噛み付く。その結果どうなったのか、社会はどう変わったのか全くわからない。そもそも、どんな社会システムになってるのかがよくわからない。政府は存在していないように思えるし、SVCという企業なのかよくわからない謎の組織によって、どこまでどのように管理されているのか。
少女たちとその周りの人物しか出てこないうえに、親もほとんど出てこない。所謂、セカイ系みたいな感じがする。社会が描かれず、世界そのものと戦いを挑み、一人のけだものの少女を犠牲にして、世界がどう変わったのかがよくわからないから微妙なんだと思う。
結局、連続殺人はカニバリズムの変態の仕業で、その人物を殺したところで彼が牛耳る組織は無くならず、データとしての息子が社会を管理し続けるってことなのか…
あまりによくわからないから、原作を読んでみたくなった。京極堂シリーズしか知らないけど、京極夏彦がこんな作品書いてるなんて信じられない。
何となく西尾維新っぽい。ルー・ガルーって、零崎なんじゃねえのって思った笑