Aoi

大脱走のAoiのネタバレレビュー・内容・結末

大脱走(1963年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

3時間もあっても最初から最後まで飽きることなく面白かった!
まず最初に聞き馴染みのあるテーマソングがこの映画のものだったことに驚いた。

前半は監視の目を掻い潜って、限られた物資と振り絞ったアイデア、連携プレーで綿密に塗られた脱走計画を進めていく姿にワクワクした。お互いに出し抜くことなく、個々の得意分野を活かして苦しい状況の中、一致団結する捕虜たちの姿に感動した。
収容所を抜け出した後、各々の手段で逃亡する後半は手に汗握る展開でハラハラした。

大脱走計画の脱走のプロの主要メンツはみんな個性的で面白かった。

特にスティーブ・マックィーン演じるヒルツは、飄々と自分第一に行動する、アメリカを体現したような男として描かれていた。独房から出たその夜にモグラ作戦が失敗して、すぐ捕まってしまった姿には笑ってしまった。じゃが芋たっぷり運んで焼酎作って独立記念日にみんなに振舞う自由なところも魅力的だと思った。
そして何よりドイツ軍を振り払いながらバイクで草原を駆け抜けるシーンはカッコよかった!

そして、閉所恐怖症なのに逃げるために累計17本ものトンネルを掘ってきたダニーがウィリーと一緒に川を下って、最終的に逃げ切ることができてよかったと思った。

せっかく脱走できたのに、途中で命を落としてしまった者。ゲシュタポに捕まって銃殺されてしまった50名もの犠牲者。敵地撹乱の一助になったかもしれないが、希望を持って望んだ大脱走の顛末はかなり残酷なものだった。
これが100年も経っていない昔に起きた事実だとは信じがたい。
最後はこの軽快なマーチが少し切なく聞こえた。
Aoi

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