あかつか

シンプル・プランのあかつかのレビュー・感想・評価

シンプル・プラン(1998年製作の映画)
4.5
幼少の頃、『エイリアン2』でヘタレすぎてバスケスにウザがられるハドソン上等兵を見て以来のビル・パクストンファンで、かれこれファン歴30年くらいになると思う。

ジェームズ・キャメロンとは旧友で、『エイリアン2』のほか、『ターミネーター』とか『タイタニック』とか『トゥルーライズ』という錚々たる大作に出まくってる(そしてたいてい殺される)んだけど、どうにもキャメロン作品以外で目立った動きがない。キャメロン案件以外だと『アポロ13』とか『プレデター2』とか『ツイスター』くらいかな。いや、十分名優なんだけど、来日したときに成田空港でキャーキャー言われるくらいになる逸材だと思っていただけに、61歳で亡くなったというニュースを見たとき、私は胸にポッカリと穴が空いたような寂しさに襲われたもんです。


本題。降り積もる雪の中で400万ドルを拾った3人組。あれこれモメながらもきれいに山分けすることに。でも、共犯ふたりは頼りにならないし信用できない。おまけに聖母マリアみたいな奥さん(ブリジット・フォンダ)も、大金を目にした途端にちょっとずつ顔つき変わってくるし…。というように、誰が何を考えているかわからない感じが不気味でいい。

あと、400万ドルのせいで友達や兄弟の間の学歴差とか収入差とか、定職に就いてるとか就いてないとか、家庭があるとかないとかから発生する妬み嫉みが一気に噴き出してくる感じが、凡百の映画とはひと味もふた味も違う仕上がりになっている。さすが監督サム・ライミ。つーかサム・ライミって20歳そこそこで『死霊のはらわた』撮ったのね。

ビル・パクストンの兄貴を演じたビリー・ボブ・ソーントン。その不気味な演技によってアカデミー賞にノミネート。納得。ずっと目イッてたもんな。


話は元に戻るけど、ビル・パクストンの一番の当たり役・はまり役はどれだったんだろう。整った顔してるから『アポロ13』みたいな真面目な役もカッコいいんだが、やっぱりハドソン上等兵が一番だなぁ。
あかつか

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